石鎚黒茶とは、石鎚山の麓、西条市小松町の石鎚地区において、古くから伝わるお茶で、日本に4つしかない貴重な後発酵茶の一つです。後発酵茶とは、茶葉を加熱した後に微生物により発酵させたお茶で、石鎚黒茶は、糸状菌により好気発酵させた後、乳酸菌により嫌気発酵を行うことによって製造される二段発酵茶です。
今年も、「お茶工房美瀬(Visee)」の石鎚黒茶製造が始まりました。
刈りの作業工程から順を追ってご紹介します。
茶畑は自然豊かな丹原町鞍瀬にあり、すぐ傍には清流 鞍瀬川が流れています。
アブ、蚊などの害虫対策として全員(10名程度)が、つなぎ服と足カバーを着用して行います。まずは草取りです。日頃から、茶畑の管理をしておけばいいのですが、どうしても蔓やバラ、ワラビ等が生えてきますので、それらを取り除き、1.5mから2mに育った茶葉を枝ごと刈り取ります。職員2名が茶刈り機で茶葉を刈った後、みんなでそれらを集め大きな袋に詰め込んでいきます。いっぱいになると軽トラまで運びます。
真夏日が続くこの時期ですので、少し動くだけで全身から汗が噴き出してきます。熱中症対策として、何度も休憩を挟み、水分補給もこまめにしながらで、約2時間かかります。
Q. なぜ、気温35度を超えるようなこの時期にお茶の刈り取りから一連の製造工程をするのか?
A. この時期の堅い充実した茶葉が、石鎚黒茶の製造に適しているからです。それは、次の蒸し工程で、約1時間蒸す必要がありますので、若い柔らかい茶葉では溶けてなくなってしまいます。