6月27日、令和6年度の石鎚黒茶の製造を始めました。

 お茶工房美瀬の石鎚黒茶づくりは、伝統的な製造技術を継承して、すべて丹念な手作業で行っています。近年続く夏の高温対策のため、作業計画を全面的に見直すこととしました。具体的には、8月中旬までに作業を終えること、茶葉の刈り取りは蒸し作業の前日に行うこと、作業はなるべく午前中にできるよう努めること、熱中症対策を徹底することなどについて確認し進めました。

 刈り取り作業は、朝9時から利用者と職員、延べ約40名で行いました。まず、蔓や雑草を取り除きます。昨年のシーズン終了後に根こそぎ取り除く除草作業を行ったため、雑草は心配したほどではなく逆に少ない印象でした。茶葉は、樹勢の回復も見られ、大きいものでは3mを超えるであろう枝もあり、茶葉の収量は十分でした。手際よく作業を進めた結果、午前中で作業を終えることができました。

 洗い作業では、蒸し作業当日、蔓や実を取り除き、流水の桶の中で2段階洗浄しました。

 蒸し作業では、機材の準備を手際よく行って、早めに蒸し作業を始めることにしました。

 発酵場所は、例年通り、大保木と横峰寺で行いました。蒸し終わった茶葉を木樋に入れ、標高約200mの大保木と標高750mの横峰寺に運び、発酵させました。

 揉み作業では、約1週間の1次発酵後、大保木と横峰寺の発酵場所で揉み作業を行いました。洗濯板を使用して揉み作業をしますが、例年どおり茶葉の発酵具合も良く、とても揉みやすかったです。揉み作業は8名程度で行い、午前中の約2時間で仕上げることができます。作業場は標高が高く、気温も5℃ほど低いので作業がはかどりました。お楽しみの昼食では、お弁当やおにぎりを持参する人が大半でしたが、中にはコーンスープやカップラーメンを持ってきた人もいました。電気はおろかお湯もないことは、周知のことだったのですが・・・。みんながその様子を見て、作業場は愉快な笑いに包まれました。揉み作業が終わった茶葉は、桶の中で密封しさらに茶葉の重量の倍の重しを載せて約3週間の2次発酵を行います。

 2次発酵では、2・3日すると桶の中の水が上がり、発酵が進んでいる様子が見て取れました。

 干し作業では、2次発酵を終えた茶葉を順次、郷に下ろして、2日間、晴天の続く日に合わせて干し作業を行いました。すべて手作業で天日乾燥を行うため、熱中症対策を徹底したぎりぎりの作業に悲鳴を上げながら、なんとか進めていきました。

 今年の夏は、記録的な暑さの中での作業でしたが、様々な対策を取った結果、石鎚黒茶の製造を無事終えることができました。ご協力していただいた方々、ありがとうございました。今後とも、伝統的な石鎚黒茶の製造技術の継承・保存に努めてまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。

 この後、約1か月間、低温倉庫で熟成させ、10月には新茶が出来上がる予定です。お茶工房美瀬の新茶を是非ご賞味ください。 お茶工房美瀬 関係者一同

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